ガン(癌) | 不健康大百科(初版)

ガン(癌)

『ガン(癌)』と一口に言っても発症部位等で症状や治療法などが大きく変わってきますので、今回は癌とはどういった病気なのか?といったアウトラインにとどめています。
「~癌」という形では、順次、記事にしていきたいと思います。リクエストもお待ちしております。

【概略】
人体は約60兆個の細胞で構成されているといわれています。元々は「受精卵」という1つの細胞が倍々に増殖していって、最終的に60兆個になります。
細胞の増殖は遺伝子によって調整されており、遺伝子の持つ塩基の情報(DNA)に従い分裂した細胞の機能を決めています。
さまざまな要因により増殖時に遺伝子のコピーミスや機能の振り分けの失敗がおこり、60兆になっても増殖が止まらなくなったり増殖した細胞が機能を果たさなかったりすることがあります。
この失敗作の細胞の中でも宿主の体内で移転をしたり、栄養を奪い取ると同時にトキソホルモンという毒を作って『悪液質』という全身の衰弱状態を引き起こすものがガン(癌細胞)と呼ばれています。
遺伝子の制御が利かなくなって細胞の増殖を繰り返し続けると、その部分は腫瘍となります。
癌のように宿主の生命を危険にさらす腫瘍は悪性腫瘍と呼ばれ、イボやガングリオン などのように増えたり大きくなるだけで偶発的に何らかの症状を引き起こす腫瘍は良性腫瘍と呼ばれます。


【症状】
発症した臓器・器官によっては痛みなどの自覚症状や兆候もでるのですが、他の病気だと誤認識したために手遅れになるケースもあります。
『悪液質』とは、慢性疾患の経過中に起こる主として栄養失調に基づく病的な全身の衰弱状態で、以下のような症状が出ます。
・全身の衰弱
・やせ細り
・貧血状態
・肌がカサカサになり黄灰色になる
・まぶたや足のむくみ

悪液質になると、食欲不振や倦怠感などの症状が現れ、治癒力や抵抗力が低下してQOL(Quality od Life, 生活の質)を悪くする原因となります。抵抗力が低下すると日和見感染などの感染症が発生してますます体力がなくなり死亡の原因となります。
日和見感染とは、加齢などによる免疫力や抵抗力の低下によって、普通なら感染しないような弱毒菌によって発症する感染症です。


【どうすればガン(癌)になれるの?】
以下は、ガン(癌)の発生に密接に関係があるものです。
・ウイルス
・排気ガス
・紫外線
・放射線
・喫煙
・化学性の発ガン物質
・ストレス
・遺伝(異常な遺伝子の情報を受け継ぐ)
・栄養不足
・睡眠不足
・電磁波

身近にある要因が多いのですが、それぞれの要因と発生する部位の相性というのも存在しています。
例えば、肝炎ウイルスは肝臓ガンのリスクとなることが知られていますので、肝炎ウィルスに感染することで肝臓ガンになりやすくなります。
皮膚ガンは紫外線を受けすぎた皮膚の遺伝子が異常をきたして発生しますので、真夏の太陽はしっかりと浴びておきましょう。冬場でしたら日サロ(日焼けサロン)でコンガリ焼くとか、家中の照明をブラックライトに変えるなどの工夫をしてみましょう。(ブラックライトは紫外線を放出し、コタツは赤外線を放出します。)
余談ですが「色白は七難を隠す」と昔から言われており、最近は美白にポイントを置いた化粧品も多く販売されています。日焼け・シミ・ホクロは、何れもメラニン色素を使って紫外線から皮膚を守る為の防御作用なのですが、美白しすぎると皮膚を守ってくれるメラニン色素が減少するのでコンガリと焼くよりも効率よく皮膚ガンになれるかも知れませんね。
まぁ市販の化粧品は、そういったことも考えられてUV効果も持たせてると思いますけれど。。。^^;


【ガン(癌)になりたくないんだけど?】
癌は、ある日突然に発生するものではなく、たった一つの異常な遺伝子から段階を追って成長していきます。

・イニシエーション(初期、発生期)
活性酸素・フリーラジカルがDNAを傷つけていく段階。
これに対して、DNA修復遺伝子が修復作業をしていきます。
⇒ フリーラジカルとは?
通常1つの原子には対になった二つの電子が収容されているのですが、原子・分子によっては電子を1つしか収容していない(不対電子)ものがあります。
そういった原子や分子は周りの原子から電子を奪いとって相手を不安定な状態にしてしまうのですが、この不対電子をもった原子・分子をフリーラジカルといいます。

・プロモーション(促進期)
DNA修復遺伝子の修復作業が追いつかずに異常な細胞(癌細胞)が生まれる。
これに対して、ガン抑制遺伝子が活動させないように働きかける。

・プログレッション(進行期)
ガン抑制遺伝子の能力が癌細胞に負けて、癌細胞が増殖していく段階。

癌を予防するには前述の要因の排除となりますが異常な細胞の発生=突然変異ですので想定外の要因で起こることも考えられます。
しかし癌になったとしても早期の発見であれば助かる可能性は十二分にあります。
例えば、昔は胃癌での死亡率は癌の中でも常にトップであったのですが、今では胃カメラなどの医療の進歩で早期に発見できるようになったために胃癌の死亡率はどんどんと下がっていっています。
ですので早期発見のためにガン検診等は定期的に受けるほうが良いと思われます。
癌細胞の発生は新陳代謝のプロセス中に起こっているので、老齢層の人よりも新陳代謝の活発な若年層の人の進行のほうが速いようです。
遺伝子の異常ですので、家系的に癌になりやすい遺伝子情報が引き継がれていることも統計の上で色濃く出ているようです。ご自身の家系の中で癌でなくなった方がいるか?どのような癌でなくなったのか?といったことを知ることで早期発見につなげることができるのではないでしょうか。

癌の治療法としては
・外科療法…外科手術で腫瘍部分の摘出
・放射線療法…放射能を照射する
・化学療法…抗癌剤を投与する

の3種類が主で、進行の度合いや部位によって、これらを組み合わせるのが一般的です。
最近では、温熱療法(電子レンジの原理で42℃~43℃に患部を加温して癌細胞を死滅させる)や免疫療法(患者自信の免疫力を高める)などの療法もあります。
免疫力の向上(活性酸素対策)は癌になってから始めるのではなく、元気なうちからでも取り組めますので予防の意味合いも含めて実践していきたいですね。