どもり(吃音) | 不健康大百科(初版)

どもり(吃音)

概略
人は言葉を使ってコミュニケーションをとりますが、その様々な場面(電話・朗読・発表・会議・挨拶・自己紹介・注文等々)において上手く発音ができない言語症状を『どもり(吃音)』と総します。
どもりは、ほとんどの人が子供の頃(1歳~5、6歳)に発症しているが、大半は自然に治癒しているといった報告もあります。
先天的な要素よりも後天的な要素でどもり(吃音)になるというのが一般的な解釈のようです。

症状
大きく分けて3つの症状があります。

1.「ぼ、ぼ、ぼくが」というように、音節を繰り返す。
特にどもりの始まりとなる症状です。
2.「ぼ~くは」といったように、最初の音を引き伸ばして長めにいう状態
3.言葉が詰まる。
話そうと試みているけれども、声が出ずに声帯を閉鎖させて「うっ」となるような感じの言い方です。

単純に3つにうちの1つが症状として出る場合もあれば、全ての症状が出る場合もあります。


どうすればどもり(吃音)になれるの?
どもり(吃音)は書痙などの不安障害の仲間だといわれる事が多く、話すことに対しての過度の緊張からどもってしまうとされるようです。
また、どもるかもしれないといった不安から緊張してしまい、その結果としてどもってしまうという方もいらっしゃいます。
いずれにせよ、不安障害に該当すると思うので、どちらの考え方も正しいように思います。
しかし、不安障害の場合ですと「不安になる原因」というのが個人々々で違ってくるので「こうすれば、どもりになれる」といった答えは無いように思います。

一方、どもりは不安障害のようなメンタル的な病気ではなく、聴覚と脳の言語機能の障害であるという論もあります。
これは概略で述べた「ほとんどの人が子供の頃(1歳~5、6歳)に発症している」といった事とも関係があるようです。
人間の言語機能は多少の個人差はあるものの、1歳頃より機能形成が始まり5歳ぐらいの間に確立されます。
通常、言語機能を司るのは右脳ですが、乳幼児のうちは右脳と左脳を結ぶ脳梁神経が完全に発達していないために、右脳左脳の両方で会話をしようとするのでつかえたり上手く口が廻らないといった事がおこります。
脳梁神経の発達に伴い右脳と左脳の役割分担が進んで行き、5歳頃には機能の分担が完了します。
この右脳と左脳の機能分担ができないていないままに成長すると、どもり(吃音)が残ったままになります。

ですので、大人ががどもり(吃音)になるのは難しいかもしれませんが、言語機能の不完全な赤ちゃんや子供さんならばどもり(吃音)になる事ができる可能性はあります。


どもり(吃音)になりたくないんだけど?
どもってない大人の方がどもり(吃音)になることは少ないと思われます。
しかし、乳幼児の頃のどもりを注意したりすると、言われた本人は必要以上に喋ることに対して緊張するようになりがちです。
身体機能の成長段階でのどもりは、上手に会話できなくて当然の状態でのどもりですので「ちゃんと言いなさい」とか「どもらないで話しなさい」などと叱咤せずに最後まで話が終わるのを聞いてあげてください。
また話が終わってからも、どもっていたことに関しては知らん顔をして会話を続けることが一番の予防になると思われます。
ありがちなのが、おじいちゃんやおばあちゃんが御孫さんのどもりを心配して注意するようなケースだそうです。
私の子供もどもっていた時期がありまして、それを私の母親がちゃんと話しなさいとか言っていたので、私が母親に文句を言った覚えがあります^^;
幼児のうちにどもっていたら、一生涯、そんな話し方になると勘違いしていたようです。
(現在、息子は6歳を過ぎましたが普通に喋っています。)

仮にどもり(吃音)になったとしても、メンタル面と身体機能面の両方向からの治療法があるようですので、直らないことはないようです。

私の体験からですが、
メンタル面で思うところは「どもったからどーよ?」ぐらいの強気で話をすれば、どもることも少なくなってくるのではないでしょうか。
開き直るぐらいの気持ちで物事に接すれば、鬱が軽くなってくるのと同じだと思います。